#異常気象 に関する会話:オーストラリア森林火災
あらまし
2020年にパンデミックが世界中で猛威を振るう前から、オーストラリアではすでに多数の人々が深刻な危機と戦っていました。2019年6月から2020年3月にかけて、オーストラリアで発生した火災はニューサウスウェールズ州の1,360万エーカーを焼き尽くし、地域の野生動物と生態系に破壊的な影響を与えました(NYT、2020年)。
Xでは世界中の280万人以上の人々が会話に加わり、最新状況を追い続け、行動を起こしました。森林火災に関するパブリックツイートは2019年12月から2020年3月にかけて累計で1,000万件近くに達しました。
実際に何が起きていたのかをじっくり見ていきましょう。
オーストラリア森林火災の実態
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詳細
12月終盤から1月序盤に焼失面積が広がるにつれ、Xでの会話も増えていきました。「2019年12月30日から2020年1月6日にかけての足かけ2週間で火災の状況に関するツイートは530万件を超えました」とデジタルコンシューマーインテリジェンス世界大手のBrandwatchでリードアナリストを務めるKellan Terry氏は述懐します。「言い換えると、この2週間にオーストラリア森林火災に関して毎秒約4.4件のツイートが投じられたことになります」
2020年3月までに、被害者や消防活動のためにさまざまな非営利組織への寄付や募金を呼びかけるツイートは84万5,000件近くにのぼりました。この期間におけるオーストラリア国内からの募金の@ツイート数は募金に関する会話全体のわずか5%にとどまるほど、全世界が注目していました。
「著名なアーティストや役者がXで支援を呼びかける中、人々は日常的に募金活動を支援し、ボランティア、食糧、救援を手配して、Xでのアクティビズムと動員急増の一翼を担いました。特に人気を集めたツイートの多くは募金可能な多数の慈善団体を紹介するスレッドでした」
- Kellan Terry、Brandwatchリードアナリスト
データによると、2020年1月1日から3月31日までに100万件近いXでの会話(オーストラリア森林火災に関してツイートした10人に1人)が、負傷した、または孤児もしくは迷子になった在来動物を話題にするものでした。中でもコアラ救出に関する会話に高い関心が集まり、Xでの@ツイートは62万回を超えました(同時期における野生動物への影響に関する会話の約73%)。
Xは自然災害時における強力なコミュニケーション手段であり、重要な情報を取得し、その瞬間をサポートできます。また、将来への備えを改善する方法も理解できるようになります。Xの多数のユーザーは気候変動が#オーストラリア森林火災 による破壊の元凶であると指摘しましたが、そうしたユーザーのツイートはこのトピックに関する会話のわずか7%に過ぎませんでした。
「会話がきわめてネガティブなものであったことが、気候変動のメッセージがそれほど盛り上がらなかった大きな理由として考えられます」とKellan Terry氏は分析します。「この問題に関し、ポジティブな感情を共有した人たちは、何らかの反応を広めようとしていました」
こうした分析結果はさらなる調査と議論が必要な興味深い疑問を提示しています。おそらく、世界中の会話で気候変動のトピックを盛り上げ、事態を痛感させる画像や動画を通じて高い注目を集める方法があるでしょう。
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Brandwatch提供のデータインサイト
Xオフィシャルパートナー、Brandwatchはデジタルコンシューマーインテリジェンスの世界大手企業であり、先端テクノロジーを示唆に満ちた美しいビジュアルと組み合わせることに焦点を当てています。同社を代表するプラットフォーム「Brandwatch Consumer Research」は日々数百万件のオンラインでの会話を収集し、きわめて柔軟にカスタマイズできる、インサイトを発見するための分析ツールを備えています。 各ビジュアルはNTTデータ、Sprout Social、Peta Bencanaの多大なる協力を得て作成されています。
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